年金の基本

難しい年金システムを解説

離婚時年金分割後に年金が受給できるのは受給年齢に達してから

離婚が成立した夫婦では、婚姻期間中に二人が築き上げてきた財産を分割する離婚時の財産分与という制度がありました。

これは、ある家庭の財産というものは夫婦が支えあって初めて築くことのできるものであるという見方をすることができるからです。

そのため、夫婦の共同の財産というものは夫と妻のどちらか一方のものではなく、たとえ妻が専業主婦であったとしても財産分与の対象となっているのです。

しかしながら、年金に関してはこのような財産分与の対象とはなっていませんでした。それはこの件については法律が存在していなかったからです。

しかし、年金というものも言ってみれば夫婦が協力をすることによって月々の保険料を支払うものという見方ができます。そこで新しく制定されたのが離婚時年金分割の制度です。

この離婚時年金分割制度では、ある夫婦の離婚が成立した場合には受給年齢に達したときに国から支給されるお金に関しても財産分与の対象となります。

つまり、専業主婦であったとしても将来的には夫が国から支給されるお金の一部を自分のものとすることができるのです。

ただし、この制度においては離婚が成立したからといってすぐにお金がもらえるというわけではありません。自分が受給年齢に達するまではお金をもらうことができないのです。

障害年金の対象となる疾病は?

障害年金の対象となる疾病は非常に多くなっています。ただし、神経症などのようにわざわざ厚生労働省が除外する旨の通知が出ている疾病もあるので、注意しなければいけません。

精神疾患も気になるところですが、うつ病などは該当します。ただし、更新期間が一年などのように短く設定されている場合が多く、寛解などのように状態がよくなれば更新出来ずに打ち切られる可能性はあります。

したがって、精神疾患以外でも同じことが言えますが、治れば障害年金は受給出来なくなることは知っておく必要があります。

この他にも、いわゆる難病なども該当します。また、難病から他の疾病も発症している場合は、それらも含めて総合的に判断がなされます。

難病は、国が認めている難病医療法のものだけではありません。それ以外のものでも可能性はあります。

ただし、難病の場合は最初の受診した医療機関ですぐに診断が出来ない場合もあることから、初診日がはっきりしないこともあるので請求時にはよく確認をしなければならないことが多いです。

年金請求は年金事務所になりますが、初診日が役所勤務だったときには共済組合になります。勤務していた先の共済組合事務局に問い合わせが必要です。

遺族年金とは?

遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の二種類があります。

前者は、もらえるのが18歳未満の子供がいる母子家庭だけです。子供がいないともらうことはできず、年収が850万円以上あってももらえません。今は、男でも子供を抱えていれば、遺族年金をもらうことができます。

後者は、子供がいなくても、もらうことができます。支給額も前者よりも高いです。

支給開始日は、基本的には、被保険者がなくなった翌月からです。手続きをする書類を早めにそろえて提出しないと、支給開始日も遅くなります。

申請しても実際にもらう額は少ないので、子供を保育所に預けて母親は、仕事に行かなければ、小さい子供を抱え暮らしていくには、到底足らない受給額です。

子供を抱えて働く母親を支える制度は何種類もありますが、国が扱うのはこのシステムしかないかもしれません。

夫が死ななければもらえないので、ただ離婚して母子家庭になったのではもらえません。

現代では、夫婦の離婚が三組に一組とも言われ、母子家庭で暮らす子供も増加しています。

母子家庭で貧しい暮らしのために、給食費が払えなかったりするケースもあり、自治体の方でも母子家庭で貧困家庭に助成金を出すなど、妥協策を提案しています。

老齢年金の2つの制度

老齢年金は高齢になったら受け取ることができる年金です。そして老齢年金の基本として2つの年金制度があります。

まず、老齢基礎年金は65歳以上になってから受け取ることができる年金です。本人の希望で支給開始年齢の「繰り下げ」や「繰り上げ」をすることができます。これは一定の率によって加算されたり減額されることもあります。

そして保険料を40年間納めた場合、満額は780,100円(平成28年度)になります。ですからそれより少ない期間しか保険料を納めていない場合もありますから、国民年金保険料を納めた機関や免除を受けた期間によって受け取る年金額は変わってきます。

こちらは65歳未満では年金の受け取りはできません。将来的に年金を受け取るためには、国民年金の納付期間や免除期間それにカラ期間といわれる合算対象期間と厚生年金に加入していた期間を合わせて、25年以上の期間が必要ということです。

次に厚生年金保険から支給される公的年金で、民間被用者や公務員などの人が老齢基礎年金に上乗せして受け取るものです。

その年金額は、平均標準報酬額や生年月日別支給率、保険料を納めた月数などにより計算されます。原則として65歳以上から年金の受け取りができます。

保険料を納めていた期間の報酬に比例した年金額で、つまり老齢基礎年金に上乗せされる2階部分の給付というわけです。

ただし、65歳未満でも60歳以上であれば一定の要件に該当すれば年金の受給はできます。支給開始年齢の「繰り下げ」で増額した年金をもらえるのがメリットです。